旋盤のバイトの【右勝手、左勝手、勝手なし】
旋盤のバイトの【右勝手、左勝手、勝手なし】とは?
旋盤のバイトとは、旋盤で切削加工を行う際に使用する工具です。バイトは、刃先を自分に向けて見て、バイトの中心からチップの先端が右に向いているものを右勝手、左に向いているものを左勝手と呼びます。真ん中のものは勝手なしとなります。
外径
ねじ切り
溝入れ
内径
右勝手左勝手のバイトを選ぶ基準
パターン①
右勝手左勝手のバイトは、被削材が正回転しているとき
主軸が左にある前提で、基本的にはバイトを右から左へ送る場合は右勝手のバイトを使用します。逆に、バイトを左から右へ送る場合は左勝手のバイトを使用します。
パターン②
右勝手左勝手のバイトは、被削材が逆回転しているとき
主軸が左にある前提で、バイトを上下逆に取り付け、左から右へ送る場合は右勝手のバイトを使用します。逆に、バイトを右から左へ送る場合は左勝手のバイトを使用します。
※勝手なしは、V溝などに使うことが多いです
右勝手左勝手のバイトの使い方
右勝手左勝手のバイトは、送り方向が芯押し台から主軸方向に送る場合は、基本的に正回転の場合は外径、内径、溝入れは右勝手を使います。
対して逆回転の場合は左勝手を使います。その際はバイトを上下逆にクランプしないといけません。
ねじ切りの場合は右ねじの場合は正回転で、外径、内径ともに右勝手を使い、芯押し側から主軸方向に送りをかけます。
左ねじの場合は正回転で、右勝手を主軸側から芯押し側に送りをかけます。
いずれにしても回転方向と刃物の向きを注意しなければ、仕上がりを綺麗にすることはできません。
また、外径バイトは右勝手のバイトに右勝手のチップを取り付けます。対して内径バイトは右勝手のホルダーに左勝手のチップが付きます。
右勝手、左勝手のメリット
右勝手のメリット
汎用旋盤の場合、加工中に刃先が見えるので安心できます。またチップの交換が容易。
NC旋盤はどちらでも良いです。
左勝手のメリット
NC旋盤の場合、チップの交換が容易。
汎用旋盤では、切削力と自重が共に下方向にかかるので、ビビりを防げます。
まとめ
旋盤のバイトとは、旋盤で切削加工を行う際に使用する工具です。 バイトには刃先の向きによって【右勝手】、【左勝手】、【勝手なし】の3種類があります。
【右勝手】とは、バイトの中心からチップの先端が自分に向かって右に向いているものです。
【左勝手】とは、バイトの中心からチップの先端が自分に向かって左に向いているものです。
【勝手なし】とは、バイトの中心からチップの先端が真ん中(勝手に)を向いているものです。
これらのバイトは、外径加工、ねじ切り、溝入れ、内径加工などの異なる加工作業に使用されます。また、右勝手左勝手のバイトを選ぶ基準は、被削材の回転方向や主軸の位置によって違います。
被削材が正回転している場合、主軸が左にある前提で、バイトを右から左へ送る場合は【右勝手のバイト】を使うし、逆に左から右へ送る場合は【左勝手のバイト】を使用します。
【勝手なし】のバイトは、V溝などに使われることが多いです。
右勝手と左勝手のバイトの利点は、それぞれ異なります。 特徴をよく知り、正しく使用することにより、効率よく加工することが出来ます。
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