フラット型(半)NC旋盤ってどうなの?と思っている経営者、または技術者に向けて大日金属工業のDLシリーズについて、スペック、実際使ってみた使用感やメリット、デメリットを解説します。
その他のフラット型旋盤のスペックなども調べました。
私自身DL75-2000を使っております。機械を購入するときに、使用感や実際使ってみてる人の話を聞いてみたいと思っていたのですが、なかなか周りにいなくて渋々購入したという経緯があります。この記事では、これから購入を考えている人に少しでも役に立てればと思い執筆したします。
大日金属工業 DLシリーズ 仕様
仕様と機能:
項目 | DL530 | DL65/75 | DL95 | DL120 | SS75 |
ベット上の振り | 530mm | 650/750mm | 980mm | 1,200mm | 750mm |
往復台上の振り | 300mm | 380/480mm | 630mm | 800mm | 520mm |
センター間距離 | 1,000mm、1,500mm | 1,000~4,000mm | 1,500~10,000mm | 1,500~10,000mm | 1,000~6,000mm |
TAKISAWA TACシリーズ 仕様
項目 | TAC360 | TAC510 | TAC650 | TAC820 | TAC950 | TAC1500 |
ベット上の振り | 360mm | 510mm | 650mm | 820mm | 950mm | 1500mm |
往復台上の振り | 190mm | 270mm | 400mm | 540mm | 600mm | 1080mm |
センター間距離 | 770mm | 1,000mm、1,500mm | 1,000~3,000mm | 1,000~6,000mm | 2,000~6,000mm | 2,000~6,000mm |
フラット型(半)NC旋盤のメリット
ドラム式NC旋盤より場所を取らない:
・刃物台がベットに乗っていて、主軸の中心にベットがある(ドラム式NC旋盤の刃物台は主軸の中心から後ろ側にある)ので場所(奥行)を取らない
・制御装置が少なく、油圧式でもないので物理的な部品が少ない(制御する基盤が少ないので故障も少ない)
簡単なプログラムはすぐ作れる:
小ロット、多品種に本当に向いています。精度はドラム式の方のが良いですが、中仕上げをすれば
問題無いレベルです。
繰り返し精度は良好ですが、恐らく刃物台の締め付ける力加減(フラット式は手動のものが多い)によって寸法変化するのだと思ってます。
※私は中古機械を買ったので、それが精度に影響している可能性もあります。新品なら精度は良いのかもしれません。
新品を買ったお方は下のコメント欄で使用感を教えてください。
本格的なプログラムは作れないので、私はCAD,CAMで作成する時もあります。(一歩先の加工をしたい人はCAD,CAM必要不可欠だと思ってます。)
※NC編集機能が必要です
ドラム式NC旋盤より安価(特に径の大きい機械や心間が長いもの)
先ほどの場所を取らないことの理由の【制御装置が少なく、油圧式でもない】ことが値段を抑えることの大きな理由です。また、旋盤を覆うカバーが少ないのも値段を抑えることが出来る理由の1つです。カバーが無いので、安全性には十分気を付けましょう。
視覚、聴覚を使って経験値を積める(汎用機のような感覚)
これは、結構重要なことかとも思います。より感覚を使ってスキルを高めていけます。
工具やジグや機械の自由度が高い
NC旋盤では、難しい加工も何とかアイデアで克服できます。
チャックの取り換えが容易
基本的に油圧式チャックではなくてスクロールチャックなので、簡単にスクロールチャックと単動の4方爪など取り換えが簡単です。
固定振れ止めや移動振れ止めの装着が容易
NC旋盤で、固定振れ止めは高額で脱着も面倒です。フラット型ですと、クレーンがあると割と簡単です。汎用機と同じです。
フラット型(半)NC旋盤のデメリット
NC旋盤より数をこなすには不向きです。
フラット型(半)NC旋盤は小ロット、多品種向きと言えるでしょう。
安全カバーがオプションの物が多い
標準だとついてないかと記憶しております。(オプション)
クーラント装置もオプションです。
※仕様変更や機械によって違う場合があるので、購入の際はメーカーに要確認
使いやすさと操作性
操作性は汎用機のままです。プログラムを組んでも、組まなくても切削出来ます。
注意点として、ハンドルがパルスバンドルなので、力が加わってもハンドルは軽いです。汎用機で慣れている人には、
最初は戸惑うと思います。
テーパー送りや円弧送りも簡単にできます。
大日金属(DL)とTAKIZAWA(TAC)の違い
DLは一体型の鋳物に対してTACは一体型でないです。(2024年時点)
その他については機械にそこまで違いはない様に思います。好みで決めて良いと思います。
しかし会社の規模には違いがあります。
会社名 | 株式会社TAKISAWA | 大日金属工業株式会社 |
本社所在地 | 岡山県 | 兵庫県 |
設立 | 1922年8月 | 1931年5月 |
資本金 | 23億1,902万円 | 7600万円 |
従業員数 | 単体392名、連結749名 2023年3月31日現在 | 85人 |
事業内容 | 金属工作機械の製造・販売 | 金属工作機械の製造・販売、旋盤をベースとした専用機の製造・販売 |
主な製品 | CNC旋盤、普通旋盤、マシニングセンタ | CNC旋盤、精密汎用旋盤、長尺旋盤、旋盤をベースとした専用機 |
強み | 顧客ニーズに合わせたカスタマイズ対応 | 中大型旋盤や長尺旋盤に関する技術力と豊富な実績 |
その他のフラット型(半)NC旋盤、NC旋盤
西部ハイテック:FNC
マザック:M4、M5、POWER MASTER
テクノワシノ:C3
オークマ:LH35、LH55、LS30
池貝ANC30、ANC56
ブルーライン工業:BL-510STR
まとめ:
大日金属は好きな機械の一つです。
旋盤の職人を育てれる機械かと思います。
何か大日金属の機械について、聞きたいことあるお方は下のコメント欄から質問してください。解る範囲でお答えいたします。
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