【NC旋盤VS汎用旋盤】違いを知る! これから旋盤を学ぶ人、学び中の人必見

NC旋盤と汎用旋盤の違い
NC Lathe - General Purpose Lathe - Difference

旋盤は、製造業界で広く活用されており、旋盤加工は今後も無くなることの無い職業です 。この記事では、汎用旋盤とNC旋盤を今も現役で使い倒している筆者が、その違いについて詳しく解説します。 さらに、それぞれの特徴や利点、欠点についても紹介します。

結論から申し上げると

汎用旋盤は手動操作による加工

NC旋盤はコンピュータ制御

大まかに言うとこれにつきます。その他のNC旋盤と汎用旋盤の一般的な特徴については下の表にまとめてみました。


特徴NC旋盤汎用旋盤
制御方式コンピュータ制御(数値制御)手動操作
加工精度高い加工者の技量に依存
自動化レベル高い低い
工具交換自動的に行われる手動で行う
加工プログラム必要不要
生産効率高い低い
柔軟性低い高い
危険度低い高い
初期費用高い低い
必要なスキルプログラム作成感覚(目、手、耳で感じる)
NC旋盤と汎用旋盤の違い
この記事を書いた人
  • 旋盤歴22年(汎用、半NC、NC旋盤、C陣制御の複合加工機)
  • 旋盤屋を経営
  • 自動車、製鉄、航空機、工作機械、半導体などの単品仕事で営んでおります
  • 加工の奥深さに日々精進
  • 本ブログでは、私が勉強してインプット、アウトプット用に作成しています。細心の注意を払っておりますが、間違いがある場合があるのでよく確認してください。
目次

旋盤の種類

旋盤の種類特徴と用途
汎用旋盤手動操作による加工。一般的な機械であり、幅広い産業分野で使用される。部品の削り出し、穴あけ、ねじ切りなどがあります。色々なサイズがあり一般的には長さ(尺)で呼ばれます。
(例)6尺旋盤など
正面盤切り落としがついており、フランジタイプの大きい径の加工物に対応可能
立旋盤主軸が縦方向に配置された旋盤。大径の軸や円盤状の部品の加工に適しており、重量物の加工も可能です。
卓上旋盤汎用旋盤をよりコンパクトにした旋盤です。馬力は少ないものが多いです。
NC旋盤コンピュータ制御による自動加工が可能な旋盤。 加工プログラムに基づいて自動的に加工を行うため、精度や生産効率が向上する。現在は主流です。

汎用旋盤

General-purpose lathe

写真の物は、長尺旋盤です。長さ2500㎜まで加工できます。

古い機械ですが、現役です。

正面盤

Front Plate - Truncated

写真は正面盤です。実際の加工風景です。

切り落とし部分があり、大きい径の加工物が加工可能です。

チャックの大分手前までしかベットがないため、刃物を突き出して加工が必要です。

NC旋盤

NC lathe - general view

NC旋盤です。

写真は固定振れ止めがついております。

NC旋盤の種類

NC旋盤の種類特徴
ドラム式タイプベッドに工具台や主軸が設置されるタイプ。横方向の加工が主な特徴。
立型タイプ主軸が縦方向に配置された旋盤。大径の軸や円盤状の部品の加工に適しており、重量物の加工も可能です。
2スピンドルベッドタイプの旋盤に追加のセカンドスピンドルを装備したタイプ。 同時に2つの加工を指示できる。
 2タレットタイプ ツーレット(工具台)を持つタイプ。 複数の工具を同時に使用し、複雑な形状の加工が可能です。
複合旋盤複数の軸を持つ。X、Z軸の他に回転軸や優先軸を備えたタイプ。多軸同時制御による高度な加工が可能。

NC旋盤(ドラム式)

NC Lathe

ドラム式のNC旋盤です。

写真は固定振れ止め付きです。

2.汎用旋盤とNC旋盤の基本概要

2-1. 汎用旋盤の特徴

汎用旋盤は、旋盤を学ぶ初心者にとって重要な一歩となります。

汎用旋盤の特徴は、手動操作によって加工を行うことができます。 旋盤の主軸を回転させながら切削工具を位置決めさせ、加工物を切削します。この手動操作による加工方法は、初心者にとって学びやすく、基本的な旋盤の技術を習得するのに適しています。切削抵抗の増加やバイトの切れ味の劣化などの原因により、負荷が掛かるとハンドルは重たくなります。またカバーが無いので切削音をダイレクトに聞くことが出来てトラブルを早期に発見できます。まさに職人技をより感覚(五感)で学ぶことが出来ます。削っている間は、主軸回転数は一定。端面仕上げをする場合は、構成刃先には注意が必要です。

さらに、汎用旋盤は加工範囲においても優れています。 大型のものまで、様々なサイズの加工物に対応できるため、用途に応じて選びやすいです。また、刃物台に設置する際や加工方法に自由度が高いのも特徴です。

アイデア次第では色々な加工が出来る実例

Processing Methods - Examples

写真は外径にV溝を入れる加工です。

バイトの突き出し量が100㎜必要だったので、バイトを自作ホルダーを使って延長したものです。

キリコが折れなかったので、棒を取り付けて強引に切粉を折りました。下の切粉を見ていただけると切粉が短くなっているのが解ります。

Examples of flexible processing

写真は振れ止めを使う位置が、写真の場所しか設置できなく、刃物台をチャック側にして、振れ止めを芯押し側にした加工です。振れ止めに干渉するので、バイトを自作ホルダーで延長しております。

2-2. NC旋盤の特徴

NC旋盤は、Numerical Control(数値制御)旋盤の略称です。この旋盤はコンピュータ制御によって加工を行うため、手動操作に比べて高度な自動化が可能です。NC旋盤の特徴について詳しく説明いたします。

まず、NC旋盤は事前にプログラムされた加工プログラムに基づいて自動的に加工を行います。コンピュータによって制御されるため、高い精度と一貫性が確保されます。高精度な部品の製造に向いています。

さらに、NC旋盤は多軸制御が可能です。 複数の軸を同時に制御することで、複雑な形状の加工や複数の工程を一度に行うことができます。生産性向上をすることが出来ます。

また、NC旋盤は工具交換の自動化も出来ます。 複数の切削工具を搭載し、加工プログラムに応じて自動的に工具を実交換することが出来ます。 これにより、加工時間は短くできます。しかし段取りは汎用旋盤より時間が掛かるので用途に合わせて使い分けが必須です

以前、NC旋盤には初期費用がかかる点やプログラムの作成や修正に専門知識が必要な点があります。また、機械自体の保守やトラブルシューティングも必要となるため、加工には技術が必要です。

3.汎用旋盤とNC旋盤の比較

3-1. 操作性と精度の比較

汎用旋盤

手動操作によって加工を行うため、操作性においては操作者の技術や経験に大きく依存します。旋盤の主軸の回転速度

や切削工具の位置調整は手動で行われるため、旋盤加工を初めてを学ぶ人にとっては、操作の習熟に時間がかかること

もありますが、慣れてくると操作性は向上します。

自作の

NC旋盤

はコンピューター制御によって加工が行われるため、操作性においてはより高度な技術や知識が必要です。加工プログ

ラムの作成や設定など、コンピューター操作に関するスキルが求められます。作成すれば同じ加工を繰り返すことがで

き、高品質な精度を出すことが出来る。

3-2. 生産効率と柔軟性の比較

汎用旋盤

は手動操作による加工のため、加工速度や段取りなど、職人の技術に依存します。 加工の形状や加工内容によって

は、手動操作では時間がかかる場合もあります。前段取りが少なく、すぐに加工に入れるので単品仕事にはもってこい

です。加工内容の変更や異なる加工物への対応には、一定の時間と手間が必要です。

NC旋盤

はコンピュータ制御によって加工が行われるため、加工の生産効率はプログラムの効率性や機械の性能に左右されます

一度プログラムを作成すれば、同じ加工内容を繰り返し行うことができるためまた、プログラムの変更(過去に作成した

プログラムであれば)や切り替えも比較的容易です。

3-3. 初期費用とランニングコストの比較

汎用旋盤は制御装置が不要のため圧倒的にNC旋盤より低価格で入手することができます。また、耐用年数も機械式な

汎用旋盤は手入れを行えば、何十年と使うことが出来ます。私自身昭和40年式の機械を今でも愛用しております。

メンテナンスや修理にかかる費用も一般的には抑えられます。

私自身、簡易型のNC旋盤も使っており、汎用旋盤とNC旋盤の中間的な機械です。お気に入りの機械の一つです。

3-4.意外と知られていない加工範囲の比較

汎用旋盤の加工範囲で注意すべき点

General-purpose lathe - swing

汎用旋盤はベットに刃物台が乗っかているので、長尺物は往復台(刃物台)を考慮しなくてはなりません。

フランジタイプの加工物の振りとシャフトタイプの加工物の振りは、加工物の外径の大きさに注意が必要です。

NC旋盤の振りで注意すること

NC旋盤は往復台がベットに乗っていないので、刃物台がワークをくぐれば、加工できます。

4.よくある質問d

1.汎用旋盤とNC旋盤の選択基準は?

私は今でも、より早くできる方法で使い分けております。目安として1ロット3個以上ならNC旋盤で3個以下位なら

ば汎用旋盤を使っております。もちろん製品によるので、数をこなして判断出来るようにしましょう。

汎用旋盤は加工効率を重視して、NC旋盤は段取り時間を減らすことを第一歩として目指します。

2. NC旋盤のプログラミングは難しいですか?

1からプログラムを作るのには、かなり勉強が必要ですが、安心してください。私自身、手打ちでプログラムは作れま

せん。現在は対話形式で簡単にプログラムが作ることが出来ます

また、より複雑な形状に関してはCADで図面を書いてCAMと呼ばれるソフトウェアで作成することが出来ます。

3. 汎用旋盤とNC旋盤のどちらを学ぶべきですか?

個人的には汎用旋盤から学んで、NC旋盤を学ぶほうのが効率が良いと思っております。

4.CNC旋盤とNC旋盤の違い

CNC・・・(Computerized Numerical Control)

NC・・・(Numerical Control)

の略で現在においては同じと考えて大丈夫です。

まとめ

汎用旋盤とNC旋盤の違いについて、私の経験に基づいての見解です。

まず、汎用旋盤は手動操作によって加工を行うため、操作性においては操作者の技術や経験が大きく影響します。加工を学ぶ人にとっては操作の習熟に時間がかかることもありますが、慣れてくると大幅に操作性は向上します。汎用旋盤は刃物の取り付けを工夫すれば、大型の加工物に対応できるため、幅広い使用ができます。また、手動操作による加工では、加工中の切削音を直接聞くことができるため、トラブルを早期に発見することができます

一方、NC旋盤はコンピューター制御によって加工を行うため、操作性においてはより高い技術や知識が必要です。加工プログラムの作成や設定など、コンピューター操作に関するスキルが求められます。もし、同じ加工内容を繰り返し行うことができるため、高品質な精度を見極めながら生産効率を向上させることができます。また、NC旋盤は多軸制御(X軸Z軸)が可能であり、複雑な形状の加工や複数の工程を一度に行うことができます。 なお、NC旋盤の導入には初期費用がかかり、プログラムの作成や修正に専門知識が必要となります。

私自身、汎用旋盤とNC旋盤の両方を使用してきました。汎用旋盤では手動操作による加工を行いながら、加工の形状や加工内容に応じて柔軟に対応することができました。切削音や切削抵抗などの感覚を大切に、職人技を磨くことができました。

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